
【2005年3月18日制定】
1.基本方針
21世紀は「知の世紀」であるといわれている。酪農学園大学・酪農学園大学短期大学部(以下「本学」という。)は「三愛精神」、「健土健民」の建学の精神をもとに酪農を中心とした国内外に例をみないユニークな教育・研究機関である。大学等の高等教育機関においては高度な知識を教育していくとともに、知を創造し、その成果を通して社会の発展に貢献していくことが求められている。
一方、創造された発明等は学園にとってかけがえのない知的資産であり、その醸成と活用は今後の学園経営において枢要な基盤となることは間違いない。本学においては特許等の研究成果を機関帰属するために「職務発明等に関する規程」を2003年3月20日に制定するとともに、発明等審査委員会を設置して特許等の発明の取り扱いに関する体制を強化しているところである。本学の知的資産は特許保有にとどまらず、職務発明を知的財産として活用するためにさまざまな基盤整備が必要である。これらのことを踏まえ、本学における知的財産に関する基本方針を以下に示す。
2.知的財産の管理・運用
知的財産の活用は、今後、社会的な要請を背景に学園経営の重要な柱になることは疑いない。知的資産の財産化とその管理・運用にあたっては組織的かつ戦略的に行うことが求められる。また、知的財産の取得ならびに保守には経費が必要であり、対経費効率を十分に配慮するとともに、その取得や効果的な運用が実効性をもつために「知的財産サイクル」を形成していくことが重要であり、その管理・運用体制を強化していかねばならない。
また、知的資産について特許等を取得し本学が権利を独占することは公共の利益に反するのではないかとの意見もあるが、第三者が本学の研究成果を利用して悪質な改良発明されることなどを排除するため、発明者の意図を担保し、その開発によって公共の利益を図り、本学の責任において知的財産を管理・運用することは極めて重要なことである。
そのために、本学として教職員の知的財産取得に対する認識を高めていくこと並びに教職員への支援業務を拡充することが重要である。
3.知的財産の範囲
本学における知的財産の範囲は、発明考案、実用新案、意匠、商標、コンピュータープログラム、デジタルコンテンツなどを含む著作物、半導体回路配置、不正競争防止法上保護されるものなど多くの概念が含まれる。
また、研究開発の過程で創作、あるいは取得された微生物、細胞、実験動物、植物新品種などの生物資源や化合物、新材料、土壌などの材料、資料、サンプル、試作品、モデルなども含まれる。
学術論文、講演、その他の著作物についても職務上創造された知的財産であるが、当面、今回の取り扱い範囲には含めない。
学生、大学院生は学園と雇用関係にはないため発明を承継する根拠はないが、教育と研究は不可分の関係にあり、研究室に配属された学生並びに大学院生は教員の指導のもとで研究していることから、発明者の一員となりうる場合もある。この場合、明らかに研究指導のもとでなされた発明であり、学生並びに大学院生から本学に対して特許を受ける権利の譲渡について同意を得て知的財産化への手続きを行う。
このほか研究員や研修生などからは、それぞれ知的財産及び守秘義務などの扱いを明確にした契約書を事前に交わしておかねばならない。
4.研究支援窓口
教職員に対する研究支援はさまざまな部署が関わっている。現在、主に特許取得を中心とした知的財産についてはエクステンションセンターで担当しているが、将来的には研究支援窓口を一元化することが望ましい。当面、エクステンションセンターが知的財産に関する担当窓口となり、教職員の知的財産に関する相談、支援業務を担当するが、関係部門担当者による「知的財産連絡会議(仮称)」を設置し、情報の共有化、問題点の把握ならびに円滑な業務遂行のための組織化を図らなければならない。なお、連絡会議の組織、役割などについては別途、定めることとする。
5.共同研究・受託研究について
新たな研究テーマの探索、人材育成をはじめ、すでに本学が有している膨大な知的資産、研究成果を活用するためには多大の資金が必要になることも考えられる。そのためには外部資金の獲得が不可欠である。本学が社会からの多様な要請に迅速に対応するためには、知的財産業務に関する専門知識を支援するための学内の体制を整備すると共に、外部からの資金を一元管理することも必要である。また、間接経費についてはすべての外部資金から徴収することが望ましいが、奨学寄附金の扱いや、その額のあり方と活用等にあたっては別途、検討しなければならない。
6.財務基盤・人材育成
知的財産を確保するためには資金が必要であること、これを管理・運用するためには財務基盤をはじめ学園内の基盤を強化することが必要である。
併せて教育・研究に携わる教職員の研鑚を支援し、それを管理・運用するための組織の構築が求められる。
以上であるが、知的財産に関連する各種制度や法律などは変動することが予測されるため、本方針は柔軟かつ機敏に対応すると共に必要に応じて速やかに見直すことが必要である。




